雲行き怪しい青い空
一点張りはやめておいた方がいいと思われ
Twitter創業者ジャック・ドーシー氏肝いりで始まった分散型SNSプロジェクト「bluesky」。
テストが始まり、日本でもチラホラと体験している人が出てきているようです。
私自身はまだ体験できていないのですが、そのこととは関係なく、なんとなくですがプロジェクトの雲行きが怪しく見えてしまっています。
未完成なプロトコル
blueskyの要はATプロトコルと呼ばれる通信の仕組みです。
これによってアカウントも含めた分散を実現するという触れ込みなわけですが、そのプロトコルが現状未完成という話です。
もちろん既にテストは始まっているので、通常のSNSとして使う分には問題ない機能が実装されていることは間違いないのですが、肝心の分散についてはサーバ間のデータをやりとりするAPIがまだほとんど何もない状態のようです。
作っている側としてはテストという形でも公開して見せなければならない事情があるのでしょうが、コンセプトの核心部分はできてからにしてほしかったですね。これではまるで自転車操業です。
置き去りにされるコンセプト
前掲の記事でもそうなのですが、最近blueskyを取り上げている日本語記事では画面の見た目や使い方の話ばかりで、分散型というコンセプトがほとんど無視されていることが多いです。
もちろん、現状テストの段階で単体のSNSとして使えはするものの分散・連合という形は取れていない以上そういう取り上げ方になるのはわからないではありませんが、開発が進んでいないうえに利用者側からも言及されないのでは本当に分散型として完成するのか心配になってきてしまいます。
旗印の動向
なぜblueskyが注目され、期待されているのかといえば、ジャック・ドーシー氏の存在あればこそでしょう。
しかし、ならば彼はテストの始まったblueskyで積極的に発信しているのかといえば、そうではないようなのです。
どうも最近「Nostr」という別の分散型SNSに入り浸っているという話です。そちらへも少なくない額の出資をしているそうで、分散型SNSに関心が強いということそれ自体は良いのですが、旗印と言うべき人物がこの大事な時期によそへ浮気しているようではやはり心配になってしまいます。
まとめ
現状を見ると、blueskyは一部の記事で言われているようなポストTwitterの決定版では必ずしもないということでしょう。
もちろん、このままTwitterが荒廃していけば候補のひとつにはなるのでしょうが、まだ「これしかない!」と勇んで飛び込むには早い段階のように思われます。
かく言う私自身頭のどこかでblueskyこそTwitterの正当な後継だなどと思っていたところがあり、属人的なイメージというのは大きいのだなと思います。
ユーザー視点では、やはりいくつかの候補を見繕っておいてシステムの出来や世の動向を見ながらメインで使用するSNSを決めていくというのが正しい戦略なのではないでしょうか。
以上です
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