ゲーム制作にAIを使うということ

あくまで人間を補助するための道具です

ゲーム制作について、このブログでは過程の記事を書かなくなりましたが制作は続けていますし動画投稿という形で活動報告も続けています。

るいーねの廃墟チャンネル
現在は主にゲーム制作の進捗を報告する動画を投稿しています。

それで、先日も難解な処理を組むのに頭を悩ませ、あちこち検索しても解決せず、最終的にChatGPTの力を借りて実現させたところです。

最近のAIというのはすごくて、Godot 4系のGDScriptの記述をよく知っているだけでなく、こちらの細かいシチュエーションを伝えるとそれにあわせてコードを調整するということまでしてくれます。
ただし、完璧ではないので最終的には出力されたコードをまるまるコピペするのではなく、自身のコードにあわせて書き換える必要があり、そのためには当然そのコードの仕組みをきちんと理解する必要があります。
うまく必要なコードを引き出すための質問方法にも頭を使いますし、いくらAIが助けてくれるといっても人類は未だ知的労働から解放されることはないのだろうなと感じています。

ところで私は本来、AIに頼ったら負けだと思っていた人間です。
特に画像生成AIに対してはかなり批判的というか、あれが存在することで社会に与える恩恵より害の方が大きいだろうと思っており、何らかの法規制が必要ではないかとすら考えています。当然使ったことはありません。
しかし、現にゲーム制作のコーディングにはAIの力を借りてしまっています。
この一見矛盾している行動に、ちょっと理由をこしらえてみましょう。

画像生成AIが問題なのは、少し前にジブリ風画像生成が取り沙汰されたように、学習元の絵柄を模倣することで人間の描いた公式なものとの混同を引き起こしたり、さらには悪意を持って贋作として流通させられたりするからです。
絵というのはデジタル以前の絵の具で描いていた時代から贋作問題が常につきまとっていたものです。画像生成AIはそれを加速度的に社会問題化してしまったと見ることができます。

翻って、コーディングについてはどうでしょう。
絵の完成品そのものを出力してしまう画像生成AIと違い、少なくとも私のやり方ではAIがゲーム自体を完成させてくれるわけではありません。
ゲーム全体の仕様を考えているのはあくまで私という人間であって、AIが関与しているのはその中の一部分で必要になる処理をするためのコードを書くこと、それも出力品をそのまま採用せず人力で修正もしています。

この両者は、同じ「AIを使っている」という共通点はあるものの、まったく異質のものであると考えます。
同じ刃物でも人を刺すナイフと料理を作る包丁では意味が違ってきます。包丁を使わずに料理をすることはできますが、包丁が使えれば料理の幅は確実に広がります。もちろん包丁でも人を刺すことはできますが、それは人を刺すという選択をした人間が悪いのです。

つまり、私がやっているコーディング補助というAIの使い方は料理に包丁を、あるいはスライサーやフードプロセッサーなどを使うのと同じことであって、料理の範疇である。そして現状の画像生成AIの利用のされ方は、スーパーの惣菜を皿に盛って自分は料理ができるぞと言い張っているようなものである。そんな感じです。

だいぶ言い訳くさいですが、こういうのは自分で納得できればいいので良しとしておきましょう。

ところでAIを利用していて気になるのは、コードのライセンスです。
私は今作っているゲームを最終的にMITライセンスのオープンソースで公開するつもりでいました。
しかし、AIが生成したコードを部分的に使っているゲーム全体に対して自身のライセンスを主張できるものなのでしょうか?
一応これもChatGPTに訊いてみたところ、基本的には問題ないという回答をもらいました。もちろんそれを鵜呑みにはできませんが、少なくともChatGPTの規約上はOpenAIが私のゲームに対して著作権侵害で訴えてくる可能性はないと思っていいようです。

問題は出力されたコードがどこかの誰かが書いたコードを元に学習した結果であろうというところです。
もしオリジナルのMITライセンスのコードAが存在し、AIがそれをほぼそのまま取り込んでA'として出力し、私がそれをコピペして自身のゲームに組み込んでいたとしたら、それはライセンス表記が必要になりそうです。
しかし、私の使い方ではかなり細かく複数の条件を指定してコードを出力させています。全く同じコードをWeb検索から見つけてきたというのは考えにくく、AIは複数の学習元を参考にしつつ新しいコードを出力したと考えられます。しかもそれをこちらで修正もしていますから、もしオリジナルのコードAやBが存在したとしても私のコードはすでにA'やB'ではなくCになっているとみていいのではないでしょうか。

一応著作権法もちょっと調べましたが、コードに関する著作権の認定基準は結構曖昧で、ゲームが完成する前から心配しても仕方ないかな、という感想です。

結論

やはり全体的に言い訳くさく、AIを使うことに対する後ろめたさみたいなものがどうしてもあります。
しかし、私が最優先でやりたいことはゲームを作り完成させることなので、そのためには今後も必要な処理のためにAIの力を借りていこうと思います。
「AI反対! 何が何でも自力で完成させる!」と潔癖に意気込んで何も完成しないよりはずっとマシであると信じたいです。

以上です
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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